選択したモノに囲まれて暮らすということ
この歳になるまで色んなものを買っては使って、買っては捨てて。自分の成長と共に必要としてきたものも変わる中でそれでも残っているものは何で残っているのか?今日は「モノ」の視点で綴ってみます。
それでも側にあり続けるモノはなんだ?
前回のブログに書いた通り、ついに家が見つかり8月に伊豆に引っ越すわけですが、伊豆のお引っ越しを入れたら人生で「7回目」の引っ越しとなります。最初の2回は実家の引っ越しです。数えてみたら7回目の引っ越しとは、意外に多いなと思いました。さて、その中でも手放さずに実家からずっと一緒にいるモノって何があるんでしょうか。
大きく分けると、引っ越しの変遷は、「大学生まで」→「社会人」→「伊豆」と3つです。この社会人の段階で大きな変化というか変身というか変態というか、かなり価値観が変わった時期でした。
引っ越し社会人フェーズ
1社目(楽天時代)
特に新卒で入った会社の楽天株式会社は、六本木ヒルズに引っ越したばかりの、急成長時代。そういう時期に働くことに楽しさを覚えるエネルギッシュ(すぎる)人たちの集まりの中で働き、ぐるぐると人生の見方やら物の考え方やら、新しい知識を注入されたり、それに抵抗したり様々な体験が発生した時期でもありました。
この時期私はスーツで営業する部署になり、学生時代には到底関わることのない企業や人々と会う中で、物で自分を着飾ることに関心を向けていました。いわゆる「ブランド」と人が認識するロゴマークに目がない状態になっており、リサイクルショップに行っては、ほぼ新品と書かれたブランド物を服中心に買っていました。さて、その時期に購入した服なり、カバンなりが今も身近にあるだろうか?驚くことに、楽天時代に購入したものはほとんど手元にはない状態です。
不思議なものです。「ブランド!」となっていたあの頃の私が探してくれたものは見つけるのが難しいだなんて…。
アクセサリー箱の中を見ると、いくつかその頃に買ったものや、頂きものを見つけることが出来ます。
2つはイヤリングです。※さとあやは怖くてピアスの穴をあけることが出来ないチキンさんです🐓
ですがこのイヤリング(18金とダイヤモンド系)は落とす恐怖で身に着けられないのでもはや観賞用となっています。笑
唯一つけているのは頂きもののダイヤのネックレス。これはこの時代からつけ続けているもの。Tシャツであれ、ビジネスの服装であれ、違和感がないので365日つけ続けています。笑
2社目(外資系教育プログラム)
さて、2社目に勤める中でも「ブランド」という意識はあり続けるのですが、ブランドに飽きてきたという状態になってきます。何だか、買っても買ってもキリが無いというか。終わりが無いというか。本当にその商品が好きなのか?「そのロゴがなかったとしたら本当に買ってる?」っていう疑問がよく出るようになって、今までなら即買いしていたのに、立ち止まって、やめた、なんていうことも増えてきました。
さとあやは小さなころから自然と目が行く素材があったのですが「皮」と「木」と「ホーロー」でした。ですが不思議とこれらは「高い!」と即座に反応して買わないのです。買ったとしてもものすごい悩むか、もしくはフェイクを買うか。不思議ですよね。「ブランド」は買うのに。そんなことを考えているうちに、モノを購入することへの関心が薄れていくのでした。
わたしが、本当に買うべきモノって、何なんだろう・・・?
引っ越し伊豆フェーズ
タイニーハウスってなに?
天城湯ヶ島へ移住したいなと考え始めたころから「タイニーハウス」というテーマが目に入ってきました。タイニーハウスは小さな家という直訳で、コンテナハウスレベルの家を指します。どこでそれを目にしたのが最初だったか忘れたのですが「なんてかわいいお家なんだ!!」が第一印象です。参考にyoutube貼っておきます。この「タイニーハウスネイション」はアメリカで人気の番組で、ネットフリックスで見ることが出来ます。
以下はタイニーハウスって?の説明をしてくれている引用文です。
タイニーハウスとは、tiny「ちっちゃな」「とても小さい」、house「家」のことです。どれくらい小さいかというと、10平米くらいの家もあるほどです。10平米は4.5畳のワンルーム(バストイレ同)くらいのサイズ感なのでかなりコンパクトです。10平米はかなり小さな部類のタイニーハウスです。
https://o-uccino.com/front/articles/59068
「タイニー」に明確な基準はありませんが、平米なら20平米、坪数なら10坪といった単位もよくつかわれます。20平米は6.0畳のワンルーム(バストイレ同)、10坪は7.5畳と6畳の1DK(バストイレ別)くらいのサイズ感です。
いずれにせよ、定員はひとりかふたりです。アパートならまだしも、ひとつの家としてはかなりコンパクトです。タイニーハウスが注目を集めたのは1999年から2000年ごろのアメリカでした。それまでアメリカで「大きな家」は幸せのシンボルであり、極端に言えば家はその機能性や必要性をもって議論されるものではありませんでした。
しかし、いったん家の価値を機能性や必要性から考えてみると、本当にそんなに大きな家が必要なのか、大きな家であることは住む人を幸せにするのだろうか、といった新しい気づきが生まれます。くしくもハリケーンによる大規模な自然災害やサブプライムショックなど、家について考える契機となる出来事が続いたこともあり、モノを持ち過ぎず、シンプルに暮らすという考え方が一部の人たちへ少しずつ浸透していきました。その後、タイニーハウスはミニマルな暮らしを実現するひとつの形として、アメリカのみならず世界的な広がりを見せています。
とにかく小さな家なので、モノが入らないんですね。さらには機能的に空間を使わないと、家族で住めないってことなのです。とはいえ、タイニーハウスって、私が住んできた東京のワンルームの家と一緒でしょという感覚でもあります。ただ、このタイニーハウスと、私のワンルームで決定的に違うことがありました。
それは、本当の意味で選択していないモノの多さ、です。
本当に選択したモノと共に暮らすことへの挑戦
伊豆へ引っ越すフェーズになって直面したことは「こんなにモノが多かったっけ?」でした。
周りの人に言わせたら「そんなに多くないよ」と言われたけれど、仕分けをする中で
「あれ?これもいらないな」
「あれ?こんなのあったっけ」
というような、自分で買ったからあるはずのモノにも関わらず、大切にしてこなかった申し訳なさに遭遇しました。
先ほどyoutubeのリンクを貼ったタイニーハウスの番組でも、多くの家族が「今家にあるすべてのモノをタイニーハウスへ持っていくことは出来ない」ということに直面します。その時に選ばなくてはならないのは「本当に必要なモノ」や「本当に愛しているモノ」なのです。
私はタイニーハウスに引っ越すのではなく、むしろ5部屋あるお家へ引っ越すのですが、この引っ越しを「モノと向き合い会話をするチャンス」と捉えています。向き合い、そして、「これまでありがとう、さようなら」なのか「これまでありがとう、これからもよろしく」なのかを選択していこうと考えています。
また、新しいモノを買う時に、どうしても癖として値段から考えます。愛から選ぶには、いったん立ち止まって吟味が必要ですが、「安いから」買う、「高いから」買わない、と値段の思考にファーストインプレッションが牛耳られています。
そうではなく、もう一歩先。「そこに愛はあるかな?」って耳を澄ましてみてから購入を決める、これが大事なことだと感じています。
愛があるからこそ、壊れた時に修理しようと努力したり、いらなくなっても、必要としている人がいるかもしれないと探してみたりすることに繋がり、結果サステナビリティだったり、繋がりだったり、未来の地球に考えることに大きくは繋がって行くと思います。
そして値段でモノを買う、という基準もこれまでの人生でたくさん私を助けてくれた基準です。もちろんこの先の人生もこの基準で考える時があることは間違いないです。
モノを買う時、ただ、そこに、ひとつまみの愛を。
天城湯ヶ島古民家プロジェクトで作りたいこと
今回の古民家プロジェクトでの挑戦の1つは「選択したモノに囲まれて暮らすこと」によって何が起きるのか、ということです。さとあやにとっては容易いことではありません。笑
何か欲しいものがある時、必要なものがある時に、お金で解決することの方が容易い人生になってしまったからです。ちょっと歩けばコンビニがあり、100均があり、ドラッグストアがあり、何とも便利な人生になったからです。それを経験できたからこそ至った今回の取組です。
ちなみに、最後の最後ですが、引っ越しを7回もする中で、それでも実際に使われ、あり続けているものの1つに中学生の時に買った900円くらいのキャミソールがあります。笑
やぶれない、よごれが見えない、着やすい。気づいたらずっと側にいる相棒です。笑
ブランドたちと戯れている横で、いつでも側に居続けてくれました。ありがとう。
今後また随時ご報告していきます✨
投稿者プロフィール
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「すべての人に、ふるさとを。」
東京生まれ、東京育ち。楽天に入社し後半の5年間は「楽天トラベル」に所属。伊豆を担当した中でも「天城湯ヶ島」というエリアに恋をした人。東京からの移住に取り組むこと半年、伊豆市地域おこし協力隊に合格。そして7か月目ついに移住できる古民家に出会いました。天城湯ヶ島への想いと古民家プロジェクトを中心に綴ります。
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