それは小学生の時であった東山魁夷からはじまった
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今日は、何故静岡県伊豆市「天城湯ヶ島」に恋をしたか?のルーツの話です。
期せずして画廊に通う
小学校の時、母が銀座の画廊に事務として勤めた。その画廊は銀座界隈でも目利きだと言われる有名な画廊。もちろん小学生の私はそんなことは知りもしない。
母をお迎えに、亀戸から有楽町まで電車に乗り、画廊まで行った。もちろん迎えに行くよりも、少しでも早くお母さんに会いたくて画廊に行っているだけだけど。
その画廊は、当時の値段で安くても数千万、高くて10億の絵がいつでも売られていた。ある日画廊に行って、最初に目に入って来た日本画に驚いた。それが東山魁夷(ひがしやまかいい)という人の絵だった。ただただ圧倒された。絵の大きさは割と大きかったと思うけど、絵に描かれた緑の空間に自分が吸い込まれて、アチラ側へ行ってしまった感じがした。今まで見てきた緑と、見たことのない緑が広がっていた。母に聞けばその絵は3億だったらしいけど、そんな価値を言われてもピンとこない。ただ、とにかく、柔らかくて安らぎがあって、素敵だなと思った。
緑が、圧倒的なのだ。
緑が、優しいのだ。
緑が、どこまでも広がっていくのだ。
それは絵ではなく、空間であった。
↑私が見たのはこの絵ではなく、白い馬がないパターンでしたが、参考まで。
大人になってからも東山魁夷美術展に行ったり、この絵は長らく心の中にありました。
それは長野県だった。東山魁夷と長野県
その絵が心に残っている割には、その場所を大人になるまで全然知らなかった。というか、モデルがあるだなんてことも考えたことがなかった。いつだが東山魁夷の作品がシャープのCMで使われたこともあったがその時も調べず。最近になって、あの湖が実際に存在し、そこが長野県だったことを知った。
不思議なのは、私は長野県に30歳を超えてから1度はじめて行ったことがある。メジャーな善光寺さん周りに用事があって行った。その時に「ここ知ってる」と思った。その帰りに、東山魁夷美術館の看板を目にして驚いた。
さらに初めて長野県を訪れた後に、私のおばあちゃんがそもそも長野県出身だったことを知る。遥か昔にそういえば聞いたことがあったが、一度も長野県に行ったこともないし、おばあちゃんは既に東京に住んでいたから、毎回東京で年を越していたし。
東山魁夷→長野の絵
おばあちゃん→長野出身
何だか不思議だなぁと思うのであった。
天城湯ヶ島と東山魁夷、そして井上靖と川端康成
天城湯ヶ島にはノーベル文学賞の候補者にもなった井上靖という作家がいる。「しろばんば」が代表作で、彼の文章はこれまた柔らかくて優しい。天城湯ヶ島の緑と、東山魁夷の緑と、井上靖の文章と、滑沢渓谷という天城湯ヶ島にある渓谷の流れは一致してるなぁなんて思っていた。
たまたま井上靖のことを調べていたら、井上靖と東山魁夷と川端康成が3人で映っている写真を見つけた。え?!これまた考えたこともなかったのだが、井上靖と東山魁夷は一緒の時代に生きた人だったのか…。(川端康成は同じ時代に同じ土地にいた文章を見たことがあったりで知っていた)
そして、さらなる驚き…。井上靖の「異国の星」の装画を東山魁夷が描いているーーーーーーーーー!!!!!
それにしてもどうして3人が会うことになったのだろう。
井上靖・東山魁夷・川端康成の3巨頭は長野県の長峰山から安曇野を眺めている写真からどんどん気になってくる。調べていくと一つのブログにこのように書いてある。
川端康成氏が、井上 靖氏、東山魁夷氏に、
「多くの写真などをみますと余りに美しいので、御誘ひいたしたく存じます」
と手紙を送り、三人が一堂に会した。(中略)
これで、川端康成、東山魁夷、井上 靖の3巨頭が、
一堂に会したわけがわかった。
穂高町が、自然保護について、
川端康成のご意見を伺うために、安曇野にお誘いし、
川端康成が、東山魁夷、井上 靖をお誘いされた。https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/e0ec23bbd5be088a697624dd222d06bc
まさかすぎる驚きです……!!!!!!!!!!
川端康成も天城湯ヶ島に居た。そして井上靖は天城湯ヶ島出身。東山魁夷に小学生の頃に恋をし、時間を超えて、この3者と繋がる不思議。。。。
そして「穂高」の地名。これはこの1年で、SDGsに関わる中で、私が初めて知った町の名前でもあり、それもまた不思議なご縁を感じます。
天城湯ヶ島と無限の緑
2021年の9月より伊豆市地域おこし協力隊として活動していくことになります。私が恋をしたこの土地の葉っぱなどはじめとする緑、苔、渓流ブルー、木材、様々な美しさに囲まれながら、地域の人との会話を通して、どんな活動をしていけるのか非常に楽しみです。
このブログを書く中で、まさかの東山魁夷・井上靖・川端康成が自然保護の観点から長野と繋がっていたことを知ることが出来たのは、貴重な発見でした。徒然なるままに、ではありましたがお読み頂きありがとうございました。
投稿者プロフィール
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「すべての人に、ふるさとを。」
東京生まれ、東京育ち。楽天に入社し後半の5年間は「楽天トラベル」に所属。伊豆を担当した中でも「天城湯ヶ島」というエリアに恋をした人。東京からの移住に取り組むこと半年、伊豆市地域おこし協力隊に合格。そして7か月目ついに移住できる古民家に出会いました。天城湯ヶ島への想いと古民家プロジェクトを中心に綴ります。
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