すべての人に湯ヶ島を。「正月飾りワークショップ」終了しました!

「すべての人に湯ヶ島を。」シリーズは、田んぼ関連のワークショップを通してこの土地の人や自然、暖かさに触れてもらって、ここがふるさとだという体験をしてほしいというものです。田植えからはじまり、稲刈り、そして正月飾りを編んで全てのシリーズが完結となりました。

田植え編はこちら。

稲刈り編はこちら。

講師にはご近所で長年正月飾りの編み方を子供たちに教え続けている鈴木さんをお呼びしまして、行いました。稲は紆余曲折ありまして…本来は穂がつく前の稲を緑のうちに刈って干しておくのですが、ちょっとしたことがあり、その干していた稲がダメになってしまって、農家さんから代わりにご提供されたのが、穂がついている黒米の稲でした。

ですからこの黒米の稲穂がある状態は通常は珍しいことで、それはそれで絵としては最高です。

ご近所の方が作ってくれたいのししのウェルカムボード。

STEP1:材料となる部分だけにする

「こく」と言っていた。稲の材料になる部分以外を手でそぎ落としていくような作業だ。このような作業で、時を超えて昔の人を想う時間になる。よく、昔の人は、これをやろうと考え付いたものだ。今日はしめ縄だけれども、もちろんこれがわらじという靴になっていたのだろうし、鍋敷きになっていたのだろうし、生活のあらゆる場所で活躍していたのだろうと思うと、お金はなくとも、手間と労力たるやお金以上のものだと感心が尽きない。

黒米の稲。本来は穂がつく前に刈り取ってより緑が残っている状態で干す。今回は予定通り行かず、穂つき。だが嬉しいアクシデントでもある。かわいい。
みんなで「こく」作業をする。余計なヒョロヒョロした稲を取って、しっかりした稲だけにする。これがしめ縄の材料になる。チクチクするからここだけ外作業。
こき終わった稲を抱えてお部屋の中へ。

STEP2:先生からレクチャーを受ける、見本を見る

さて古民家に入りましたら先生が早速見本をつくります。それを見ながら「なるほど・・・そう作るのか」と学びます。足で押さえながら作業するので意外と?全身運動です。単にみつあみみたいに編めばいいのかというと実はそうではなく、左によじりながら、右に回す、的な、普段の生活にはない編み方の指示があり、多少最初は脳みそが混乱します。(笑)

まずは鈴木先生のお手本を見る。あっという間に編んでいく。簡単そうに見えるが…
やってみると頭が混乱する。捻る方向と編む方向が違う…。足で押さえながらやるが人によってはつりそう。
ある程度教われば黙々と自分の正月飾りをつくり出す参加者のみなさん。

STEP3:無我夢中で編む

「先生みたいに上手く編めない…」と思いながらもみんなここまでくるとレッツゴーです。力の入れ具合や、ちゃかちゃかやる人や、とっても性格が表れます。みんなが作業している間、縁側の外では焼き芋をつくってくれて、お茶を出してくれてと最高の時間が流れます。

ブルーシート敷いておいてよかった。想像以上に穂のチクチクがすごい(笑)

STEP4:山の恵みで飾りつけをする

正月飾りワークショップではあるのですが、お正月までに随分時間があります。今の時期しか楽しめない山の恵みをお好みで飾りつけしてもらいました。カラスウリや唐辛子、ナンテン、このままでも黒米の穂がありかわいらしいですが、色があるとまた華やかです。

鈴木先生が見本でちゃかちゃかつくった輪飾り。すごいなー。
こちらさとあやの輪飾り。先生みたいにひょろーという飾りは無しで、カラスウリとナンテンで飾り付けました。
通称ごぼう。これに半紙でしでを作ってたらせば神棚に飾れますね。

おまけ:こんなにするんだ…!

ちなみに私は東京に居る時にしめ縄を飾ったことがありません。おばあちゃんの家(東京)でも飾ったことはありません。たぶん自治会で配られる時だけ小さな輪飾りみたいなのを団地のドアにつけるということはあるかもしれませんが、それも稀でした。暮れになれば駅の前などにどこからともなく屋台が出てきてしめ縄を売っていましたが、値段を考えたこともありませんでした。

これも手編みなのかな?機械で編めるのかしら。
ごぼう6尺(約180センチ)は税込み4378円!

さて、伊豆に来たら、マックスバリュの入り口で、12月から正月飾りが売られているではないですか!!!ビックリしました…。こんなに高いんだ…。そうなんだ…。より自分で作った正月飾りに愛情が増しましたとさ。

投稿者プロフィール

さとあや
さとあや
「すべての人に、ふるさとを。」
東京生まれ、東京育ち。楽天に入社し後半の5年間は「楽天トラベル」に所属。伊豆を担当した中でも「天城湯ヶ島」というエリアに恋をした人。東京からの移住に取り組むこと半年、伊豆市地域おこし協力隊に合格。そして7か月目ついに移住できる古民家に出会いました。天城湯ヶ島への想いと古民家プロジェクトを中心に綴ります。