初夏の風物詩!蛍が飛ぶ準備をしてきました!(静岡県伊豆市天城湯ヶ島)
ほたるの洗い出しの時期がやってきた!
静岡県伊豆市天城湯ヶ島エリアには蛍(ほたる・ホタル)が飛びます。それはもう、色んなところに飛ぶのだが、街頭のほとんどないところにうわーっと数えきれない量飛んでいる場所もあれば、ほろりほろりと静かに数えられるくらいの蛍が飛ぶところもあり、どの蛍も私にとっては毎度感動です。
さて、その蛍に綺麗に飛んでもらうために、3月天城湯ヶ島エリアでは大仕事があるのだ。それを蛍の洗い出し、と呼ぶ。写真を交えて後半で詳しく説明していくことにする。
最初に出会ったのは小学校3年生の学童保育だった。
東京都江東区亀戸の学童保育クラブに小学校1年生~3年生まで通っていた。その最後の年の夏、10畳くらいの部屋が暗室となりど真ん中に大きな虫かごが置かれた。大人が子供の為に企画してくれたイベントだったのだろう。何が起こるのか全くわからない9歳のさとあやは静かに部屋に入り、先生の指示に従って部屋の真ん中のカゴの前にしゃがんだ。じっと見るとそこには2つの光る緑があった。それが私の知っている蛍だった。
その後蛍を目にしたのは、ディズニーランドのカリブの海賊の最初のエリアだ。乗り物の船に乗ってすぐ右手にはレストランがあり、逆側に平和な村が再現され、そこに蛍ほ光がほわんほわんと強弱をつけ光る。乗るたびに綺麗だなぁって思うのであった。あのエリアは全くメインのシーンではないのに私はあそこが一番好きだった。
本物の蛍を見て19年後、蛍が飛ぶ地区を担当することになる。天城湯ヶ島エリアで蛍が飛ぶ時期は5月下旬から7月頭くらいだ。ホタルの種類によって、飛ぶ時期が異なるので、早く終わってしまう場所もあるけど初夏の風物詩であることには変わりない。
育った場所で蛍は飛ぶ。
この地区を担当して知ったことなのだが、蛍は育った場所付近を飛ぶ。そりゃあちょっとは移動はするけれど、隣町に飛んで行くというようなことはない。成虫になった川周辺で飛び、一生を終える。
天城湯ヶ島には出会い橋という場所がある。それは男橋と女橋の2つ合わせた呼び名で、本谷川と猫越川が出合う場所にあるので「出会い橋」と呼ばれる。昔からそこにたくさんの蛍が飛んでいたのだが、自然の変化や人間の生活の変化により、昔ほど自然に生まれる蛍が少なくなってしまった為、観光協会さんは色々手間をかけて蛍を育てている。ちなみに出会い橋ってここ!伊豆半島のど真ん中!
先に書いた通り、蛍は育った場所で飛ぶので、ここで育てるのである。蛍を育てるのにもたくさんのご苦労があって、水温や水質、餌のカワニナ(淡水に住む巻貝の一種)が生息する等…様々な条件が掛け合わさり成功したり失敗したり。いずれにせよ一朝一夕ではいかない。ここまでたくさんの方がここの蛍に携わってきた。さとあやもその1人だったが「なーんだ、自然の蛍じゃないの?」と軽く口にするが、それがどんなことか活動に参加しないとわかり得ない。
今日はそんな活動を書いてみますぞ!( ノ゚Д゚)ヨッ!
天城湯ヶ島エリアでは共同で蛍の幼虫を育てている。ほたる館と呼ばれる場所でも育てているけれど、各旅館の見えるところに蛍の幼虫を置いているところもある。ご自宅で育てている方もいる。
蛍が飛ぶまではこんな感じ。
- 一定の水質・水温で幼虫を水槽で育てる
- 蛍の幼虫を川に放流する
- 蛍が自力で土に這って潜る(さなぎになる)
- 時期になると成虫になって飛ぶ
蛍の洗い出し作業開始!
さてこの蛍の洗い出し作業とは何か?だが、先ほど説明したように色んな場所で蛍を育てているのでみんな一か所に持ちより、蛍の幼虫がどれだけ育ったかをカウントしていく作業が、蛍の洗い出しである。これにより来年に繋げていく大事なカウント作業なのだが、幼虫の大きさにはものすごく差がある。大きい幼虫だと3センチくらいだが小さい幼虫だと1ミリくらい。カワニナを上手に食べられないと育たないようで…こんなに差が出ちゃうのね…生きていくって大変…。
1ミリから1センチくらいの幼虫は発見することは難儀で、もちろん掴むのも難しい。ということで最初にグループを分けられました。
目がいいグループ
と
目が悪いグループ
です。いい悪いという表現をしていましたが、より分かりやすく言うと「老眼かどうか」ということです。
地域おこし協力隊の齋藤君も一緒に活動したのですが、間違いなく我々は「目がいいグループ」=「小さな幼虫をカウントするグループ」であります!
この最後の写真はゾーンに入っていてまるで憑りつかれているようですがさとあやです(見ればわかる)。この日の気温は10度以下で北風があり後半は寒さとの闘いにもなってきました。手がかじかむと掴むのも難しくなってきます。ちなみに蛍の幼虫は柔らかいです。例えて言うならマシュマロの弾力程度なのでちょっと失敗すると箸で潰してしまうのではないかと考えながらやっていました(結果1匹も潰してはいない。上手くやれるものだ。)
小さい方はざっと3000匹くらいいるんじゃないかなぁ?という感じでしたが、次から次へと砂利の間から幼虫を発見するので、はっきり言って、全部はカウント出来ないです。(`・ω・´)キッパリ。最後は数えられなくても放流してしまうので、あとは無事に育って外に飛んでくれるのを願うばかりです。
ちなみにこの幼虫をカウントしている間に、もう1つのグループが別行動しています。そちらは放流する川周りの清掃と土起こしです。蛍の幼虫は放流された後しばらくして(2週間程度)、自力で土に這って土へと潜ります。その際、土が硬いと潜りにくいので耕運機でふかふかにしておきます。ですのでそちらのグループは力仕事です。いわば蛍のお布団づくり。オフトゥン。
数え終わった蛍の幼虫ついに放流!(ちょっとグロテスク閲覧注意)
数え終わった蛍の幼虫ちゃんたちはカレーとか作るような大きな鍋に入れられて放流を今か今かと待っています。耕運機で起こしてくれた川の近くにその大鍋と共に歩いてゆきます。
蛍の幼虫は飛んでいるイメージとは随分と乖離があります。そう…かわいいとは言い難い見た目です。ですから心の準備をして…見てください…。ちなみに箸やスポイトでつまんでいると、愛情が溢れてくるため…全部可愛く見えてきます(笑)親ばか。
さとあや(黄色)が立っている土が耕運機で起こしたふかふかのオフトゥンです。いざマシュマロのようなちょっとぶにょぶにょしている蛍の幼虫さんを手に取ります。このぶにょぶにょに弾力があると健康な証とのこと。よしよし。みんな元気だね。
さ!いざ!放流!
その時です。
ボチャン。
ボチャン?さとあやの手には蛍の幼虫がまだいる。あきらかに幼虫とは思えない大きな音が自分の足元の小川で聞こえた。ふと目線を落とすと…
iPhoneが先に放流されとる~~~!!!!!!!
(⊃ Д)⊃≡゚ ゚ !?
目が飛び出ました。周りで見ている人たちも「あああああ!!!」と声が上がる。ポケットから落ちたのである!すぐ拾おうと思ったらさとあやの両手には幼虫さん!!!大切に持っている幼虫を放流してから、放流されたiPhoneを拾い…無事に3000匹以上の蛍の幼虫さんの放流は終わりましたとさ。
iPhoneボチャン動画はこちら(笑)>>>伊豆市地域おこし協力隊Facebook
※ちなみにこの後逆のポケットに入っていたペットボトルも放流した。
めでたしめでたし。
(どこが?)
大きな蛍も小さな蛍も5月末以降元気に土から外へ出てたくさん飛んでくれると嬉しいな。その頃また出会い橋へと会いに行くね。
投稿者プロフィール
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「すべての人に、ふるさとを。」
東京生まれ、東京育ち。楽天に入社し後半の5年間は「楽天トラベル」に所属。伊豆を担当した中でも「天城湯ヶ島」というエリアに恋をした人。東京からの移住に取り組むこと半年、伊豆市地域おこし協力隊に合格。そして7か月目ついに移住できる古民家に出会いました。天城湯ヶ島への想いと古民家プロジェクトを中心に綴ります。
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