伊豆に居ると日本語を感じるの。

伊豆に居ると慣用句や単語に感銘を受けたり発見をするという話。

さとあやのいる天城湯ヶ島エリアは山に囲まれている。川が流れている。20分車を走らせれば海だ。漢字や慣用句は自然から成り立つものが多くあるが、都会にいると自然との距離がある為、それらの漢字や慣用句を経験を通してイメージしながら使うということがない。

春になり漢字と慣用句を立て続けに体感したのでそれを書いてみます。

たけのこ

ついに先日憧れのたけのこ堀りに行ってきた。

4月の2週目くらいにはたけのこが顔を出すって話だったのだけど、1週目に堀りに行ってきました。ほんのすこーし頭だけ出しているのですが、その時点では大きいのか小さいのか全くわからない。掘ってみてはじめて「こいつは…長い戦いになるかもしれない…」とわかるたけのこがあり、いずれにしてもかなりの重労働。

こんなに深くまで掘らないとなのよ。

竹の子供

さて、そもそもだけれど、このたけのこは「竹の子供」でたけのこなんだよねーって竹の横で顔を出している少しの黄緑を見て思うわけです。

東京に居た時に「竹の子供だ」と思って食べていたか?と聞かれたら答えは「NO」。さとあやが買っていたたけのこは水煮の真空パック。もちろん、「たけのこって何だと思う?」って聞かれたら竹になる前の最初のやつ(子供)と答えることは出来るけど、そんなことを実感持っては食べてもいないし、買ってもいない。

旬に竹冠で「筍」

前日、竹藪をチェックしに来たときはまだたけのこは生えてなかったけど、翌日に来るとたけのこの頭がちょこっと出てたりするらしい。昨日より今日、今日より明日と成長目に見える程早い、それがたけのこ。

たけのこって漢字で書くと

「旬」に竹冠です。

この漢字は竹の成長の早さを表しているんだって。知らなかった。

地面に芽を出してから10日目(一旬)くらいには竹になってしまう。だからそのような漢字になっている。より有難さを感じた。

雨後のたけのこ

「雨が降ったらもっとたけのこ出てくるよ」と掘ってる時に教えてもらった。そこで慣用句の「雨後のたけのこ」って言葉を思い出し、この今いる竹藪と繋がった。

ようやく、脳みそが【そういうことか】ってなりますよね。

ちなみに雨後の筍は「物事が相次いで現れることのたとえ」として使われますよね。

東京のオフィスにいた時に「いやー雨後の筍みたいに次から次へと…まいっちゃうなぁ」って話している時に、雨の後にたけのこがめっちゃ出てくる自然現象と結びついてその言葉を使ってたかっていうと、あり得ません。だって、そこに行ったことないんだもの!教科書でしか出会ったことない暗記の世界の話しであります。机上の慣用句に五感を通した体験を経ることで、言葉により命を与えられている…「言葉と自然の一致」に表現に深みと豊かさが足された喜びがあります。

よいしょ。よいしょ!

ふきのとう

植物繋がりで続けます。これまた恥ずかしい話なんだけど・・・

「ふきのとう」よ、「ふきのとう」。

ふきのとうってさ…、「ふきのとう」っていう植物だと思っていたのです…(笑)山菜の「ふき」は知っているけど「ふきのとう」と関係がないと思ってたわけです・・・。

「竹」は知ってるけど、「たけのこ」とは別と思ってるような関係性ね。ところがある日「小松菜のとう」って言葉を耳にしたときにさ、あれ?って違和感に襲われました!

で、その「小松菜のとう」を手にしたら、私の知ってる小松菜じゃないわけですよね。どちらかというと見た目菜の花。ということは…小松菜の「とう」というのがこの黄色いやつか?!ということは?!ふきの「とう」は小松菜の「とう」と同じかーーーーーーーーーーー!!

そこで初めて、「言葉と自然の一致」がおきるのです。

伊豆の人にとっては「とう」は当たり前なのかもしれないけど、東京には「ふきのとう」はたまーに売っていても「小松菜のとう」をはじめとした他の「とう」が売られていることは稀(稀と書いたけど私は見たことがない)。だから思考回路はくっつくことがない。野菜を学ぶ機会が思った以上に少ないのだなって思うのよね。東京は自然と遠い、それは距離だけでなく、言葉としても遠のいている…。

番組名で少し前に「鶏肉って何の肉?」っていうクイズ番組ありましたよね。さとあやも伊豆にいるとその番組名と同じレベルだなって思います。

あくとり

これまた食べ物繋がりなのですが、家に帰ったら勝手口にワラビとタラの芽と灰が置かれていました。近所のおじいちゃんが置いてくれていたのですが…、ワラビとタラの芽まではわかるけど「灰」がわからないわけですよ。

で、聞くと、ワラビはアクが強くて、アク取りをしないといけない。そのアク取りを灰でやる…と。

「アク」って言えば「あいつアクが強いなー」みたいな使い方をする場合、くせが強いとか悪さがあるみたいな意味で使うじゃないですか。そのような意味合いで苦みとがえぐみとかがワラビにあるってことだよね。

で、そのワラビのアクを取るのに、灰を使うっていうのですよね。で、ここでまたしても「あーーーそうかーーーー!!!!」が起きるのです。確かに「アク」って漢字で書くと「灰汁」だわーーーー!!!!と。ようやくそこで言葉と自然が出会いました。はい、ここでも「言葉と自然の一致」です。

わらびにアクを振り、熱湯をかける。

ちなみにもともとは草木を焼いて作った灰を水に溶いた汁を使って山菜や野菜のアクを取っていたのが転じて、食物のいらない成分を「アク」って呼ぶようになったんだって。

改めて、日本語っておもしろい。日本語って素敵だな。

投稿者プロフィール

さとあや
さとあや
「すべての人に、ふるさとを。」
東京生まれ、東京育ち。楽天に入社し後半の5年間は「楽天トラベル」に所属。伊豆を担当した中でも「天城湯ヶ島」というエリアに恋をした人。東京からの移住に取り組むこと半年、伊豆市地域おこし協力隊に合格。そして7か月目ついに移住できる古民家に出会いました。天城湯ヶ島への想いと古民家プロジェクトを中心に綴ります。