自主製作映画「杜人(もりびと)」とそれに沿ったワークショップに参加してきた!①映画鑑賞編
伊豆市修善寺にあるTutty cafe(トゥッティカフェ)という場所でランチをしていたら、オーナーさんから興味深いイベントに誘っていただいたのです。
※ちなみにTuttycafeさんは2023年3月16日を最後にランチ営業は終了です。今後はイベント中心に展開していくとのことです。
フライヤーは森の中だと一目でわかる緑でその真ん中に横を向いた白い服装の男性が横を向いている。目に入ってきたのはもちろん題名の「杜人」なのだがそれは意味がわからないので、すぐに視線は「環境再生医」という言葉に移動した。
杜人
ナウシカのような人に、出逢った。
環境再生医 矢野智徳の挑戦
人間よりも自然に従う風変わりな「医者」
3年間の格闘と再生の記録
https://lingkaranfilms.com/
とある。
こんなことは堂々と言えないが、私はかの有名なジブリのナウシカを通しでちゃんと見たことがない。あんなにファンが多い映画なのに…ないのです。
理由は、オウムが怖いです…。(それかい!)
小さなころから金曜ロードショーで“あれ”が出てくると、TVから顔をそむけてしまうか、寝てしまうかということでそのまま大人になりました。同じような理由でラピュタも苦手です。ラピュタでは巨神兵が怖くて仕方ないのでした。(今度はそっちかい!)
なのでキャッチコピーの「ナウシカのような人に、出逢った。」は全く意味がわからないという残念な人です。しかしながらお医者さんと言えば人間や動物相手というのが自然な文脈の中で「環境再生医」という日常的ではない使い方に興味を覚えたのでした。環境に対してのお医者さんがいるんだ…と。
映画を観る前にyoutubeで予告編を観ました。これだけではあまりわからないですが、「こういう映画なんだな?」という掴みは得ました。
それくらい私は自分と自然との間に距離があることを知っています。
きっと自然の中で生きている実感がある人は、この予告編を観るだけで心の踊り方が違うにきまっています。その自覚にインパクトを与えたいと思っているので当日会場に向かう動機は十分でした。
当日はTuttycafeの空間で自主上映会が行われました。
暖炉のあるフローリングの場所に座布団が雑然と敷かれている…。直前の上映会との入れ替えなのでそこに人がたくさんいたなとわかる感じだ。2列目の真ん中にプロジェクターが置かれ、前にスクリーンが立っている。座布団とちょっとした椅子を合わせると20人が観れるような手作り感満載のスペースで、思いのほか一番乗りで最前列の真ん中に座らせてもらった。地べたに座っての映画は、小学生の頃の体育館での上映会依頼かもしれない。暫くすると人が集まってきて、にぎやかになってきた。振り向くと座布団もはじっこの小さな椅子たちも空きがなくなっていたのだった。満員御礼というやつだ。
事前情報で聞いていたこととして、この映画の自主上映会とワークショップの主催者は天城湯ヶ島エリアにいる庭師さんとのことだった。
「木のような人だけど、とても情熱があるのよ」
と聞いていたその人が、時間になり前に現れた。
体型もあり様も、確かに、「木」っぽい!
色々と静かだ。人間と話すことよりも木と話すことのほうが得意そうであることは確かに、であった。
それでもこの映画への思い入れがきっと彼に喋らせるのだろう。映画への挨拶がはじまった。
彼の名前は高橋洋平さん。7年前に今回の映画の主役である環境再生医・矢野智徳さんと出会いそれまで悩んでいた庭師としての葛藤に希望が見えた。簡単に書くと、庭師は庭の主の依頼で木を切っていくけれど、切らなくていい木を切らねばならないことや、自然界のことなのに人間主導になってしまう仕事に痛みや悩みがあったようだった。そんな時に自然にあわせて活動する矢野さんの姿に心を打たれ方向転換をしたようだった。
そんな想いが冒頭に語られて静かに袖に消えていった。
後から聞けば矢野さんの考え方に一番近いうちのお一人だと聞いた。光栄な方と出逢えたものだ。
映画は100分ほど。ドキュメンタリーで、ガジュマロの木の再生の場面からはじまる。もともとドキュメンタリーは好きで、情熱大陸やカンブリア宮殿やガイアの夜明けで燃えるタイプです。なのでそういうのが好きな方はまず問題なしでしょう(笑)
映画「杜人」を観て感じたこと
「杜人」にはいくつかのプロジェクトが出てきます。プロジェクトに関わる人も、草花も木々も、生き物たちも、矢野さんと関われて幸せだろうなという感想でした。
この感想を持ったまま、翌日のワークショップに参加出来るのは最高だなぁ。
映画の中でもあるのですが、最近起こっている異常気象や災害等は、起こるべくして起きているという解釈がなされています。現代の日本は多くのコンクリートで覆われています。その上にさらに大きな建物を乗せて、やはりコンクリートで川を真っすぐにし水を流します。すんごい負荷を地面にかけさらにその上で人間が生活しています。
それでも足元の下つまりコンクリートの下には昔のように有機物(自然物)があります。もちろん田舎と呼ばれる方向にいけば土や石や川が昔のまま剥き出しの状態で存在しています。
コンクリートがない場所では土の中では水が浸透して、空気が通って、微生物や様々な有機物が循環し呼吸しています。自然に出来た川は蛇行し、深水もさまざま、水にも形にも風にも全てにおいて強弱がある自然な状態です。ところが都市部では自然な状態の表面でもなければ形でもなく、自然は息が出来ないし不具合があっても元に戻しきれない、いわばコントロールできない状態になってしまっています。息をしたり循環する為には、どこかで吐き出すことになり、その一つが土砂崩れという解釈をしました。
地球上のピラミッドの頂点が人間という構造になってしまった今、自然の生きる場所は人間主導で決められます。都心の街路樹はいい例ですね。良い悪いという方向から見てしまうと単純に「街路樹はいけない!」的な短絡的思考になってしまうのですが、そうではなく、人間主導にした代償は当然ながらあるのだということです。
コンクリートがある状態であっても、老若男女誰もが、環境を再生することが出来る、ということを矢野さんは提唱してくれます。スコップ一つで世界に変化が起こせる!と言ってくれるのです。
そのワークショップが「大地の再生 水脈整備ワークショップ」です。
その様子は次回につづく!!
投稿者プロフィール
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「すべての人に、ふるさとを。」
東京生まれ、東京育ち。楽天に入社し後半の5年間は「楽天トラベル」に所属。伊豆を担当した中でも「天城湯ヶ島」というエリアに恋をした人。東京からの移住に取り組むこと半年、伊豆市地域おこし協力隊に合格。そして7か月目ついに移住できる古民家に出会いました。天城湯ヶ島への想いと古民家プロジェクトを中心に綴ります。
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