島根県邑南町へ視察旅行!その②元スーパー公務員寺本さんと会って想うこと。

スーパー公務員のスーパーってなぁに?

湯ヶ島地区地域づくり協議会のメンバーで一路島根県の邑南町へ視察へ出かけた我々!
▶▶▶前回の記事はコチラ。島根県邑南町へ視察旅行!その① A級グルメ構想の過疎の町

邑南町自慢の石見和牛のカレーを堪能した我々湯ヶ島一行は、ついに今回の旅のメインでもある寺本英仁さんに会いに車を走らせる。

スーパー公務員という異名を持つ人だ。町役場を辞めたので正しくは元スーパー公務員だが。

スーパーってなんだ。

スーパーマン。

スーパーボランティア。

スーパー○○…

うん、何となくわかったぞ。

○○の域を超えちゃった人のことをスーパー○○ってつけるんだな。

ということで公務員の枠を超えちゃった人寺本さんに会えることに多少の緊張とワクワクな状態であります。

「食の学校」へ移動!

カラフルな看板「食の学校」
郵便局の横にあります。

その日寺本さんは「食の学校」というところにいるとのことで移動。小さな郵便局の隣にぽつんと佇む食の学校。外見はプレハブの平屋、玄関に入ると集会場っぽいけれどドアをまたぐとそこはキッチンが広がっていた。キッチンと言うと台所っぽいけど、家庭科室みたいな。そうか、食の学校だもんな、ここでお料理を研究するのか、と思いながら、キッチンの前に用意されたコの字のテーブルの資料の場所へと着席した。

あ、さっきyoutubeと本で見た人がいる。(芸能人見る感じで)

スタッフと一緒に画面に映す準備をしているのが寺本さんだ。

思ったより小柄。その他は、全て、そのまんまだった。

この今いる食の学校は「耕すシェフ制度」に関連して作られたものだ。前回の記事にも書いたけれど、邑南町は「A級グルメ構想」という施策により移住者を増やし、町のブランド化や商品開発に取り組んでいるのだ。そのA級グルメ構想と紐づいてシェフになりたい地域おこし協力隊募集し、この土地で料理の勉強をしながら根付いて欲しいという思惑があったのだ。

ところが最初に就任した地域おこし協力隊の皆さんは、3年間の中で毎日の作業に追われてしまって、気づいてみれば料理の勉強が出来なかったということが起きてしまったのだった!

3年間終わってみれば、起業の準備も出来ていない、料理の勉強も思ったようには出来なかった、これではこの土地に今後も根付くというのはハードルが高いですよね。(地域おこし協力隊の身なのでそれはそうだよなと納得です。)

そこで作ったのが「食の学校」。レストランでは一流のシェフのもとで実践を積みながら食の学校では、基礎知識をしっかり身につけてもらう。耕すシェフだけでなく地元の方も料理の勉強が出来る場所にもなっています。

寺本さんが話ししてくださったことはもちろん勉強になったのだが、用意してもらっていたものよりも印象的だったことが3つあった。

  1. 1つ目は耕すシェフ制度の仕組みである。協力隊は報酬以外に活動費年間200万円が認められている(この中に家賃やもろもろの諸経費も含まれる)。この活動費を企業にお渡しをすることでレストランを運営していく資金にする。そしてそのレストランは協力隊の実践する場で職場でもあるのでそこの運営費に充てられる。また一流シェフを迎え入れることで料理も美味しくなるし、協力隊にとっては学べる先生の存在も現すことが出来る。これは単純にとっても頭のいい仕組みだなぁと関心したのであった。
  2. 2つ目は何かの質問の合間だっただろうか。寺本さんの表情が曇り声のトーンが落ちた。14年間頑張ってきたが、町役場を辞めると、A級グルメ構想に異を唱える人が現れたらしいのだ。一緒に喜んでやってきたと思っていたからショックだったというようなニュアンスだった。書籍を出版したり、TVに出たりと華やかなように見えても、どこの土地でも起きることは質が似ていて、ご苦労は絶えないのだと思った。
    そして寺本さんの話やあり様が語る様々なものからではこの邑南町という世界で起きている全てを理解することは出来ない。邑南町だけの話ではないけれど。どの問題であれ(それが社会であれ、地域であれ、企業であれ、家庭であれ)、全ての人は真実を知ることは出来ないのだ。それが唯一の真実であろう。
  3. 3つ目はお話の最後に伊豆は豊かで本当に羨ましい場所だといってくれたこと。首都圏からも近く、海川山とすべてがそろっている。生まれ育った邑南町で頑張ってきた寺本さんに言われて思うことは、伊豆市は豊かで贅沢すぎて満たされすぎていて、それが問題だということを想った。問題がないということは「良い」と捉えることも出来るし「悪い」と捉えることも出来る、物事はいつもいくつかの側面があるのだ。

寺本さんの話を聞き終わって、改めて思うこと。

寺本さんと湯ヶ島地区地域づくり協議会のみなさんで。

伊豆の天城湯ヶ島にはこれから先何を作り出して行きたいのか?どういう地域でありたいのか?何を価値として発信していき繋いでいきたいのか?をたくさんの人と共通言語を持ち、言わば可能性の危機を共有することで、行動を取り続けつ事が求められている。

さもなくば、何となく高齢化、何となく交通網がなくなり、何となく店がなくなり、何となく活気がなくなっていく。ゆっくりと、数年、10年、かけてゆっくりと。人口が減っているのだからそれは自然なことなのだということも知っている。だからそれが悪いのではなく、私が愛した天城湯ヶ島に生きる喜びが活気のある状態であり続けてくれると嬉しいなと思うのである。

今日はここまで!この続きはまた今度🎵

投稿者プロフィール

さとあや
さとあや
「すべての人に、ふるさとを。」
東京生まれ、東京育ち。楽天に入社し後半の5年間は「楽天トラベル」に所属。伊豆を担当した中でも「天城湯ヶ島」というエリアに恋をした人。東京からの移住に取り組むこと半年、伊豆市地域おこし協力隊に合格。そして7か月目ついに移住できる古民家に出会いました。天城湯ヶ島への想いと古民家プロジェクトを中心に綴ります。